5.金子のぞみの財政政策

財政の健全化につとめ,過去に建設されたすベての施設の徹底的な有効利用を図り、不要不急の公共事業は一切停止します。いま計画されている公共事業は国と地方とを問わずすベてゼロべースで見直します。
  1. 県債残高1兆円を目前にした山梨県財政は危機的状況にあります。これを放置してきた当局の責任は重大です。しかし、これを黙過してきた私たちもその責を負わなければなりません。経済は「入るをはかって、出ずるを制す」ことです。私は、決して「『出ずる』をはかって(謀って)、入るを制す(征す)」が如き逆行は致しません。プライマリーバランスの遵守の徹底化を図ります。
  2. しかしながら、「地方分権一括法」の発動後における国と地方の「三位一体」の改革は一向に進展していません。特に、国から地方への税源の移譲が未完です。これについては国に対してしっかりとした要求を行ってまいります。言うまでも無く私の基本スタンスは、「地方分権」に他なりません。
  3. その地方分権の受け血としての県行政に早急に改めるべき多くの問題があります。県行政には本体の県庁とその出先からなる直轄行政と県が全部または一部の出資者として間接的に関わる外郭団体による行政の二本立てになっています。前者は言うに及びませんが、後者についてはすでに設立の歴史的役割を終えて廃止すべきもの、統合した方が有益なものなどがあります。これらについて聖域をつくらず洗いざらい精査して参ります。
  4. 行政はビジネスです。すべての行政プログラムに Plan Do Check Act のPDCAサイクルを導入します。全ての局面において、きめ細かく事前評価・中間評価・事後評価を行いながら、失敗を最小にしていくシステムを付与していきます。
  5. 甲府駅周辺再開発事業の一環として駅北口に生涯学習センター構想が提案され、これに賑わい創出機能を付与すると説明されています。また、これには県立図書館機能が含まれることともされています。しかし、これがいかなる性能の故に賑わい創出されるのかその訳は明確ではありません。また、県立図書館の在り方についてはそのビジョンは全く不明です。これについては、すべて出発に立ち返って検討しなおします。
  6. 特に県立図書館については、その性格上駅周辺のような騒々しい環境は不適であり、芸術の森公園周辺などが相応しいでしょう。少ない蔵書数に、少ない入館者数によって「全国最低」というレッテルを貼られてしまった山梨県立図書館について、なぜそうなったのか、どうすれば利用率も含めて活性化が可能なのか、専門家の意見も聴取しながら、可及的速やかに検討してまいります。特に、国会図書館・市町村立図書館(生涯学習機能を含む)・小中高大学等の学校図書館など、様々な図書館機能のある中での県立図書館の位置づけについては、抜本的な検討を早急に開始いたします。
  7. リニア実験線の技術開発はその初期の目標に限って言えば関係者の努力によって成功したと評価できます。しかしながら、その企業的な経営上の見通しは全くありません。その高コスト構造と予想される維持経費の高さ・エネルギー効率の悪さ・超高速ゆえに予想される運行時間の不正確性・安全性への不安・ジェット機に対する経済効率性の悪さ等々、リニアモーターカーに付与される実用的性能は相当に低いと言わざるを得ません。したがって、これをこれ以上継続することは経済的無駄以外のなにものでもありません。しかるに、国土鉄道幹線網の必要性、わけても東海道新幹線の代替線としての機能を要求されるところを考慮して、在来技術による新幹線敷設へと変更すべきものと考えます。
  8. 狭い盆地に全国第3位の自家用車普及。その結果として生ずる朝夕の交通ラッシュ。それを解決するためとして行われる道路建設。結果は、光化学スモッグ注意報の多発という大気汚染につながっています。この一連の悪循環は公共交通網の不備によるものです。持続型の環境を創造するために、いま公共交通網の整備は喫緊の課題です。バス専用道路の指定・整備を含む大胆な公共交通システムの設計に着手します。
  9. 県内の市町村によっては、その地域の主要産業が土建事業であるという地域も少なからずあります。こういう地域において公共事業の縮小に伴って生ずる雇用を安定させるために里山復元などの自然環境保全活動を展開します。
  10. 公共美術館・博物館・各種会館など、それぞれの施設が負っている使命が円滑に活動されていないために収支が不均衡で経営的に行き詰っているものが少なからずあります。これらについてはその評価を情実によらず専門家によって厳格に行うとともに、その原因を突き止めた上で、確実な再生を目指します。特に、県立博物館についてはそのコンセプトから洗いなおして再検討を開始します。
  11. 予算の使い残しを奨励します。お役所仕事として年度末になると、予算を消化するために道路工事などが頻々と行われるのを目にしていることでしょう。あれらの全てとは言いませんが、予算制度にしばられて、年度末に予算を使い切らないと翌年予算配分が減らされるための予防的措置としてなされることが多いのです。私は、企業会計の良い点を導入して、予算の有効使用に注力してまいります。